メインコンテンツに移動

世界で初めての触媒的不斉異性化反応による l -メントールプロセスの工業化は、不斉配位子BINAPの工業化なくしては達成されませんでした。高砂香料ではこのBINAPを用いたカルボニル化合物の不斉水素化反応を見出し、本反応を活用した抗生物質や抗菌剤など、医薬品中間体の製造プロセスを相次いで確立しました。生体に作用する医薬品は立体異性体のうちのひとつを確実に作り分けることが必須です。この不斉合成技術を活かし、高純度の立体異性体の製造プロセスを提供しています。

さらに、触媒的不斉水素化反応の技術革新に努め、オリジナルの配位子SEGPHOS®を開発しました。現在ではBINAPとともに水素化反応だけでなく幅広く不斉触媒反応に利用されています。一方、配位子の設計技術を不斉合成以外の分野にも展開し、BRIDP®配位子を開発しています。これを用いたカップリング反応を応用して新規アリールアミノ化反応による電子写真感光体(OPC)の効率的製造法の開発にも成功しています。

最近、エステル化合物の水素還元用触媒Ru-MACHO®、超高速不斉水素化反応用触媒RUCY®、高活性水素移動型還元反応用触媒DENEB®、エステル交換反応用触媒ZnTAC24®を開発し、その適用範囲の拡大にも成功しました。触媒技術の有効活用、さらには連続フロー生産技術を導入することで、反応の効率化や副生成物の削減といった環境にやさしいグリーン サステナブル ケミストリーに貢献しています。

※SEGPHOS、Ru-MACHO、DENEB、RUCY、BRIDP、ZnTAC24は高砂香料工業株式会社の日本およびその他の国における商標あるいは登録商標です。