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高砂香料は、1920年アロマケミカル(合成香料)の国産化をめざして設立されました。自然界の香りを構成する単品香料を一つひとつ探し、高砂香料の持ちうる技術を駆使して合成した単品香料はフレーバー、フレグランスに利用され、さらなる深みを与えています。 創業当初からIonone、Anisaldehyde、Benzyl acetateやPhenylethyl alcohol、GeraniolやCitronellolといった多くの合成香料を開発、製造し、その後も独自の技術を駆使してVanillin、Heliotropine、Musk T®、Santalex® Tをはじめとする数々のアロマイングリディエンツを提供してきました。

1983年には、薄荷やペパーミントの主成分で世界的に最も需要の多いアロマイングリディエンツのひとつ、l -メントールの製造において、大阪大学大塚斉之助教授と開発を進めていた不斉異性化反応に、野依良治博士の開発した不斉配位子BINAPを組み合わせることで世界で初めて不斉合成による工業化に成功しました。また不斉合成技術に限らず、Grignard反応、Wittig反応、Diels-Alder反応をはじめ、多くの化学反応による製造経験を生かし、Ambretone®、cis-Jasmone、Orbitone®、Trepanol®等を開発、製造しています。

特に、l -メントールの不斉合成技術はその後進化し、不斉水素化をはじめとする多くの不斉合成が開発され、革新的で魅力ある香りの研究と開発に活用されています。有用な物質を選択的に合成することが可能なこの技術を用い、Chiraroma®のコンセプトのもと、l -Laurinal®、Levocitrile®、l -Citronellol、Thesaron®、l -Muscone、DextramberTMをはじめ、多くのアロマイングリディエンツを開発しています。当社社外取締役野依博士は後にこの技術でノーベル賞を受けられました。これらは、目的とする立体異性体を優先的に含むため、非常にクリーンでピュアな香りを特徴とし、ハウスホールド製品やトイレタリー製品、ファインフレグランス、また食品の自然な香りを演出するフレーバーなどに幅広く使用されています。また、Sensates®シリーズとしてCoolact®や世界に先駆けてHotact®の開発にも成功しています。近年は、持続可能社会への貢献をめざしたSustainable Scentシリーズとして、再生可能原料を活用したBiocyclamol™、Biomuguet®を上市しました。

またナチュラル素材として自然界から安全で有用な微生物や酵素を探索し、ナチュラル香料素材の開発を行っています。国内外の製造拠点を活用し、フレーバー、フレグランスにおけるグローバルな展開を進めています。