Pierre Bongert-Marlier
(ピエール・ボンガート=マルリエ)
エバリュエーション
ベルサイユ大学で化学を専攻していた当時、ピエールは写真家をめざしていました。ところが、たまたま香りの評価に関する講演を聞いたことで自分の進むべき道を見つけました。「人と接するのが好きなので、すぐにこの仕事が自分に向いていることがわかりました。マーケティング、パフューマー、セールス、消費者アナリスト、そしてお客様とのやりとりは、まるでプロジェクトの真ん中にいるように感じられます。さまざまな視点のすべてを俯瞰できるからです」。
ISIPCAで学んでいた2010年にロレアルで研修生としてプレステージプロジェクトの新製品のための香りの評価を行いました。フィルメニッヒでジュニアフレグランス開発マネージャーとして2年間勤務し(2012年~2014年)、ロレアルのポートフォリオの中のニッチ系香水を担当し、アルマーニ/プリベ、ランコム、メゾン・マルジェラ、サンローランなどのブランドで成功を収めました。
ピエールが高砂香料グループに採用されたのは2015年のこと。3年間、クリエイティブグループのエバリュエーターとして、アメリカのプレステージやマステージのプロジェクト、コティや資生堂のヨーロッパのプレステージのアカウントを担当しました。「私は製品が大好きです」とピエールは言います。「ブランドの世界を愛し、その香りのアイデンティティに浸り、市場を分析し、解析することが好きなのです」
3年後の2017年には、ファインフレグランスカテゴリー担当に就任し、調香師との緊密な連携によるグローバルアカウントのフレグランス開発、積極的なクリエイティブ戦略の立案、将来のトレンドの把握、社内のグローバル フレグランス ライブラリーの管理などを行っています。
「自分の創造性を発揮できるポジションです。調香師をサポートし、彼らに挑戦し、彼らが自分自身を超えられるよう手助けをするのです。プロジェクトにスタイルを吹き込んだり、アイデアを蓄積したり、それらは私にとってはとても重要な仕事です」 とピエールは説明します。
ミレニアル世代であるピエールは、自分のマネジメントスタイルが、思いやり、男女平等、ワークライフバランスといった同世代の価値観を反映していると考えています。チーム内では、エバリュエーターそれぞれの強みを伸ばすことに注力しています。
ピエールは、最も誇りに思っている受賞作品として、オーレリアン・ギシャールが手がけたナルシソ・ロドリゲスの Narciso Eau de Parfum Ambrée を挙げています。「素晴らしいブランドですね。デザイナーをよく知るオーレリアンだからこそ、その意図やビジョン、テイストに強く惹かれたのです。 イランイラン、ティアレ、アンバーをベースにしたこの香りは、絶対的に崇高で限りなくクチュールで、超高品質です。私の中では、偉大な香水の伝統を受け継ぐものです」と語っています。