労働安全衛生(OHS)
インシデントレポートルールとインシデント調査
EHS関連のインシデント(労働災害を含む)に関する報告ルールを策定しています。この報告ルールに従って、国内外のサイトで発生するインシデントが適時適切に他のサイトに共有されることになっています。
インシデントの原因を調査することは、同種または類似のインシデントを防ぐという点からも非常に重要と考えています。そのため、各サイトからインシデントに関する報告を受けた後、インシデントの概要、根本原因、是正対策を確認し、フィードバックを行うとともに、国内外で開催される各種会議において協議を行っています。各サイトではこれらの報告およびフィードバック、さらには各種会議における協議結果に基づき、自サイトで同様または類似のインシデントが発生しないように対策を講じています。
危険源の特定、労働安全衛生リスクアセスメント
労働安全衛生リスクアセスメント(以下、「OHS RA」)ルールを所在国での法令上の不一致がない限り国内外のすべての生産拠点に適用しています。各生産拠点では、このルールに基づき、職場における事故・労働災害の原因となる危険源を特定し、予見可能なリスクへの予防措置を行っています。安全管理部は、OHS RAをグローバルで強化するために、労働安全衛生規則の補足手順の構築に取り組んでいます。
コミュニケーションと現場確認
国内においては国内EHS会議を年に2回以上開催し、また、海外においてはグローバルEHS会議を年に4回以上開催し、EHSに関する情報の共有化を図っています。
国内の生産拠点、研究開発本部および配送センターに対し定期的に安全監査を実施し、各拠点の安全衛生活動・事故労災等の確認を行っています。新型コロナウイルス感染拡大の影響で実地での監査が困難となりましたが、リモートを活用して安全監査を継続的に実施しました。さらに、国内の生産拠点、研究開発本部および配送センターの安全管理を担当する責任者と本社役員および関係者が参加し、月次の安全協議会を開催し、EHS関連法改正や各拠点での安全監査で確認された課題等の情報共有や労働安全衛生対策についての話し合いを行っています。
さらに、毎年、海外の複数の生産拠点に対しEHS監査を実施しています。2019年、安全管理部は、米国、インド、シンガポールの現場でEHS監査を実施しました。これらの監査においてEHS要求事項の詳細を説明し、各生産拠点における活動の進捗状況を確認し、EHS上の諸問題について話し合い、ベストプラクティスを共有しました。国内の安全監査同様に、2020年はメキシコの生産拠点に対しリモートにてEHS監査を実施しました。2022年度については、新型コロナウイルス感染症の感染状況を勘案しつつ、実地またはリモートでのEHS監査を実施する予定です。
労働安全衛生に関する社員教育
各生産拠点が実施したリスク評価の結果を共有し、各生産拠点ではこの情報をもとに同様の危険源を排除し、これら危険源から発生しうるインシデントに関連するリスクを低減しました。 2021年の高砂香料グループの労働安全衛生目標に従って、各生産拠点では手順の有効性を確認するために、少なくとも年に2回の緊急事態への対応訓練を実施しました。
労働災害・疾病データ集計
T-ReCS® を使用して労働災害や疾病に関する情報を含むOHSデータの集計を実施しています。さらに、データをグローバルに集計するためのより効率的なシステムを今後構築する予定です。2021年には、国内で14件、海外生産拠点全体で35件の労働災害が発生しました。 度数率は5.48%、強度率は0.07%です。労働災害の主な種類は、化学物質との接触でしたが、いずれも休業を伴う労働災害ではありませんでした。