

子どもたちが毎日遊ぶブランコと同じように、
「香り」も安心して使えるものに。
私たちは、
人にも、環境にも、やさしい香りづくりを
これからも続けていきます。
安定した供給の基盤、「安全」
私たちは、安定した製品供給を継続するためには安全が基盤になるとの認識のもと、さまざまな改善に取り組んでいます。
安全へのマネジメント
安全管理体制の強化の一環として、国内外すべての製造拠点において、労働安全衛生マネジメントシステムであるISO45001の認証をめざしています。
2021年度には海外の製造拠点8箇所と日本の研究開発本部でISO45001の認証を取得しました。これにより、すでに取得している環境マネジメントシステムの国際規格ISO14001との統合を完了しました。

とはいえ、マネジメントシステムとはいってみれば「箱」に過ぎません。大事なのは、この「箱」を有効に運用し、そこに「魂」を吹き込むことです。
高砂香料工業の一人ひとりが事故・労働災害ゼロという、この高い目標に向かって主体的に安全操業に努め、安定供給を維持するという強い思いを共有していきます。
安全を実現させるための管理体制

安全管理体制の継続的な強化のために社長を本部長とする安全統括本部を設置しています。
安全統括本部 安全管理部は以下の活動を展開しています。
- 従業員に対する安全教育
- 定期的に各製造拠点を訪問する安全監査
- 情報共有を密にするため、月に一度安全協議会を開催
- 各製造拠点における安全管理状況の評価、および評価結果に基づく是正支援
- 高砂香料グループ全体の安全管理上の知見の収集、および情報の水平展開
安全のための教育と実践
事故・労働災害ゼロをめざすため、安全管理に関する教育や社員の意識向上にも力を入れています。4月10日を「安全の日」と定め、高砂香料グループの安全管理体制再構築のための原点として、安全統括本部長による訓示、過去の事故の動画視聴および消防訓練の実施など、全社員が「お客様に迷惑をおかけする事故を絶対に起こさない」という思いを新たにする日としています。
【三原】安全の日消火訓練
【平塚工場・平塚研究所】安全の日訓練

グローバルネットワークと生産管理体制
香料は世界中で使用され、原料となる天然資源は世界各地で生産され、昔からグローバルに流通してきた商品です。
私たち高砂香料工業は1960年代に海外進出を果たして以来、世界とのつながりを広げ、現在では28の国と地域に研究所や工場、営業所を設けて、グローバルなネットワークを展開しています。
製品最適化とグローバルでの品質統一化の体制

国が違えば、香料に関する法規制や慣習も一様ではありません。
高砂香料工業グループは各国のさまざまな法規制に対応し、お客様にご満足いただける香りを提供しています。
その国、その地域での最適化を図る。
これは高砂香料工業が展開しているグローバルネットワークの特色であり、地域最適化は私たちの得意とするところです。
そうした地域最適化を保ちつつ、私たちはグローバル企業として全体最適化を進めています。
研究開発、原材料の調達、生産、品質保証、そのすべてにおいて、世界中で同じレベルのサービスを提供し、グローバル企業としての利点を活かす、それが高砂香料工業のめざす先です。
高砂香料工業がめざすグローバル体制
生産部門では全拠点で同一品質の製品を生産するために、ガイドラインなどのドキュメントやメソッドの標準化、そして、設備の設計コンセプトの標準化、安全への取り組みの統一化が必要になります。
高砂香料工業の製造に対する根本の思想をグローバルの拠点で働く従業員の一人ひとりに根づかせるためには、「5S・カイゼン活動*」の定着も不可欠です。
世界のどの製造拠点においても、業務効率を改善させる活動を行っています。

*5S・カイゼン活動 整理、整頓、清潔、清掃、躾の頭文字をとった5Sに事業活動で改善すべき点を社員自ら計画書を作成して提案する活動。

安全で高品質な製品をお届けするために
高砂香料工業の品質保証部門は完全に独立した組織です。ミッションは、安全基準を満たした、信頼性の高い製品を提供し続けること。このミッションを果たすためには独立した形で製品の品質を管理できる体制が不可欠なのです
安全安心のための品質管理体制

品質保証部門は、各国の品質保証部門がひとつになった「One 品質保証体制」を実現しています。品質保証の中枢機関としてお互いに密に連携を取り、グループ全社で標準化された業務フローであるコーポレートSOP(Standard Operating Procedures)と各種ガイドラインを策定しています。
また、本社国際品質保証部は、SOPに基づいて適切に品質保証活動が行われていることを入念に確認しています。
ガイドラインは逐次見直しを行い、品質保証体制を常に「現時点で最善の」仕組みにしています。
世界中で高品質な製品を供給し続けるために
品質保証をより確実なものにするために取得したのが、品質マネジメントシステムのISO9001と食品安全マネジメントシステムのFSSC22000:2011の認証です。ISO9001は、2004年に全社統合で認証を取得して以来、維持更新を重ねていますが、フードチェーンの一端を担う企業として、2012年には国内グループでFSSC22000の認証を取得しました。
これにより、ISO9001の運用に加えて、食品ハザードに対するリスクアセスメントが加わり、より安全な製品の提供が可能になりました。
高砂香料工業は「One 品質保証体制」のもと、原材料入荷から、その保管管理、製品製造、検査判断、製品出荷に至る、この一連の流れを定めたルールに従って適切に行うことで、安全な製品をお届けしています。


グローバル連携により原材料調達を最適化
高品質の香料を供給し続けるためには、安定的な原材料の調達が欠かせません。高砂香料工業ではグローバルネットワークを活かして世界中で「責任ある調達」活動を展開しています。
高砂香料工業の考える「原材料調達」
- 地球環境への配慮や地域社会の保全を掲げ、責任をもって調達活動を行い、環境および社会的責任を尊重する調達先をパートナーとする。
- 世界各国のビジネスパートナーとの間に公正でゆるぎない信頼関係を築き、持続的な調達のためにポリシーやガイドライン、行動規範を定め、人権の尊重や安全衛生、地球環境保全、企業倫理などCSRに配慮して調達先を選定し、原材料を確保する。
―これが、私たちの考える「責任ある調達」です。

互恵的で、かつ透明性の高い
サプライチェーンのために
2018年から、持続可能な供給やサプライチェーンの透明性を追求して香料原料の調達を進めるために「TaSuKI(たすき)」(Takasago Global Procurement Sustainability Key Initiatives)をスタートさせました。
原材料産地の生産者や地域社会と環境を支援することが、SDGs等のグローバルな社会課題の解決にもつながるものであることを意識し、調達戦略のもと計画の進捗状況を共有する取り組みです。
たとえば、重要な香料原料のひとつであるグレープフルーツが、近年、米国フロリダで減産傾向にあることを受け、地元のパートナー2社と連携し、継続的に植樹を行っています。
フランスでは、農協組織と手を組んで、ラベンダー様の芳香を放ち、香水をはじめ、フレグランス商品向けに幅広く用いられている素材、ラバンディン・グロッソ・オイルの長期契約を締結しました。この契約により、栽培家は収入を安定的に得られ、設備投資や事業の拡大、植え替えや品種改良も行いやすくなりました。
こうした取り組みにより、私たちは代替がきかない原料を安定的に確保しています。
高砂香料工業が推進しているのは、文字通り、「たすき」をつないでいくように息の長い、地域のビジネスへの支援活動なのです。

提供し続けるための原材料調達
原材料を持続可能な形で戦略的に調達するには、原材料市場の予測精度を高めることも重要です。特に、収穫期の限られる天然の原材料については「予測と準備」に一層の注力が求められます。リードタイムが長い原料や熟成が必要な原材料の場合にはその時間を考慮しなければなりません。ミントのように水蒸気蒸留によって得られる香料原料は熟成のための時間も必要です。
予測の精度を上げるため、私たちはお客様、調達先様との連携を密にし、軌道修正を随時行っています。
香料をめぐる法や規制の変更にも迅速に対応し、常に見直しを図っています。いかなる不測の事態が起こっても対応できる原材料調達は、こうした細かな作業の積み重ねにより実現されるものです。
私たちは、確かな原材料調達が、安定して製品を供給するための基盤のひとつと考え、調達力の向上に努めています。
