ポール・ポワレ／ジュリアン・ヴィアール
香水瓶「道化（ロジーヌ社）」

ポワレは自身の香水をオートクチュール店で発売した初めてのデザイナーであった。クチュールと香水を関連づけることで20世紀の香水に革新をもたらした。｢道化｣は、ピカソの描いた一連のアルルカンを主題とする絵画から着想した香水瓶で、黒い三角のストッパーで帽子を、金と透明の三角形の模様でピエロのコスチュームをイメージしている。

サンルイ
香水瓶「ラムセスII世（ビシャラ社）」

クリスタルガラスメーカーとして名高いサンルイ社の名作。ルクソール神殿のラムセスII世のオベリスクを模したガラス瓶に､ヒエログリフ（象形文字）を彫刻している。

バカラ
香水瓶「シプル（コティ社）」

コティは1904年に調香師フランソワ・コティが創業した。「シプル」はキプロス島をイメージしたこれまでにない新しい香りであったため、シプレー調と呼ばれる香水の分類を示す用語となった。花を模った栓とシンプルでモダンな瓶はバカラ社製のクリスタルである。

香水瓶「パリの宴(ブルジョワ社)」

この作品は、「シャネルNo. 5」を創った伝説の調香師エルネスト・ボーによる名香。「パリの宴」はパリの華やかさ、ロマンス、ラブを想起させると評判を呼び、香水と化粧品のラインはブルジョワ社を代表する商品となってアメリカでも発売された。

バカラ
香水瓶「太陽王（スキャパレリ社）」

エルザ・スキャパレリは多くの芸術家と親交があり、モード界のシュルレアリストと言われた。｢太陽王｣は親交のあったダリがデザインし、バカラが製作した香水瓶。空飛ぶカモメで顔が描かれ、瓶の模様は海面のきらめきを表している。フランスの栄光の体現者であり、太陽王と呼ばれたルイ14世をイメージの中に取り込んだ作品｡

バカラ
香水瓶「僕はミス・ディオールのものです（ディオール社）」

ディオールのメゾン設立10周年を記念して、クリスチャン・ディオールの愛犬ボビーをモデルに限定生産された稀少な香水瓶｡黄色いシルクでできた犬小屋形の外箱がついていた(欠失)｡