ガムをはじめとする食品や湿布などに使われるl -メントール※を主軸としたアロマケミカルや、抗生物質などの医薬中間体を製造している磐田工場。1997年に国内の香料業界で初めてISO9001を、2000年にISO14001を認証取得して以来、品質管理はもとより、事業活動における環境負荷の低減に取り組んでいます。
市民やまちと共生する工場を目指して
変電設備(トランス)や冷却水設備、出荷前の製品を保管するコンテナなどを効率の良い省エネ・省資源型に切り替えたり、工場で不要となった資材を集めて夜間蓄熱設備をつくるなど、各施設に合った工夫をしてきました。中でも強化しているのが、臭気対策です。ほかの工場に比べて、扱う原料もできあがる製品も桁違いに多い磐田工場ですから、臭気を水でたたいて吸着させる「ベントスクラバー」などの脱臭装置を設置したり、風向きによる臭気拡散を防ぐため、週に一度「臭気パトロール」を行っています。
2008年からは、磐田市環境保全推進協議会の会長にも就任しました。毎年、ひのき林の枝打ち、間伐作業を行って里山の保全を進めるなど、市の職員や市民の方々と環境保全に取り組んでいます。また、防風林になる松の植樹など、磐田市緑化推進委員会主催の活動にも参加。このような交流を通して、工場の活動を皆様へ伝えていくことも、地域と共生する私たちの大切な役目だと考えています。
工場開設50周年へ向け、先を見据えた環境活動を
1968年に磐田工場が開設してから早40年。これからは、開設50周年へ向けての準備期間です。環境活動においても、先を見据えた取り組みをしていかなければなりません。環境影響をさらに抑えるため、磐田工場ではLNG(液化天然ガス)サテライトを2010年10月に設置しました。現在、工場のボイラーは重油で焚いていますが、ボイラーの買い替え時期に合わせて液化天然ガスに燃料転換することで、年間4,500〜5,000トンのCO2排出量を削減できる見込みです。
工場は、「チームプレー」でもあります。それぞれの能力を育てていくことで、個性を引き立て合うことができます。それは、環境活動においても同じことです。「今できる事からすぐやろう、明日のために省エネ・アクション」を掲げて意識改革に取り組んだことで、環境対策の重要性が一人ひとりに浸透してきたと実感しています。そしてさらなるアクションを期待できる環境も整いつつあると、頼もしく思っています。
※l -メントールは薄荷やペパーミントの主成分で、世界的に需要の高いアロマケミカルのひとつです。
磐田市まち美化パートナー制度
隣接する祝川や周辺道路の清掃活動で地域に根ざした環境美化に力を入れています。
磐田工場は、磐田市が推進する「磐田市まち美化パートナー制度」に2008年から継続して加入しています。道路や河川などの公共空間、公園や緑地などの公共施設を美化・保全することで、地域への愛着心を育み、市民と行政のパートナーシップによる協働のまちづくりを目指すものです。
工場を取り巻く環境は年々厳しさを増すとともに、地域住民の皆様の環境への関心は強 まっています。磐田工場では、工場に隣接する祝川を清掃して不法投棄物を回収したり、毎月の安全日に工場内外の一斉清掃を実施するなど、ボランティアや環境コミュニケーション活動を通して、住民目線での地域貢献に取り組んでいます。

工場裏の祝川沿いに立てられた、「磐田市まち美化パートナー制度」の看板。

毎月の安全日の一斉清掃風景。
地球温暖化防止対策
重油からLNGへ燃料転換し、CO2排出量の削減に貢献。
環境に負荷をかけない工場設備の改善に取り組む磐田工場では、増設などの時期に合わせて冷却水設備の改善、ドライ式真空ポンプへの更新などを行ってきました。2010年8月には、ボイラーの切り替えに合わせて燃料を重油からLNG(液化天然ガス)へと転換しました。これにより、CO2排出量を年間約4,500トン削減できる見込みです。

工場にそびえる1対のLNGタンク。およそ88㎘の保管が可能。
工場内の環境設備
工場緑化を推進し従業員の憩いの場を増設。
工場全体の取り組みとして、ボイラー室や変電所周辺など工場内の敷地を芝生に変える工場緑地化を推進しています。2011年度は、排水処理場の沈殿槽横に「いこいのひろば」を整備。芝生に池、ベンチなどを備え、従業員の憩いの場となっています。ほかにもドラム置場や工場施設入口、手洗い所近くの空きスペースを緑地化しています。

昼食後や休憩時に気軽に集える場となっている。
工場設備の環境対応
環境対応型の設備を整えることでますますグリーンな工場に。
ISO9001、ISO14001の認証取得から、環境に負荷をかけない工場設備の改善を長年進めてきました。エネルギー削減の取り組みを中心にご紹介します。
蒸留設備の減圧時に使う水封式真空ポンプ69台のうち、14台をドライ式真空ポンプへ更新。年間およそ22.8万kWhの電力、43,750トンもの排水を削減できるようになりました。
工場増設時に冷却水設備の改善を行い、10年で冷却水使用量を11%削減、冷却水原単位を38%減らしました。
変電設備の更新にあたり、工場毎の変電所に分散して変電設備を設けることと、トップランナー機器を採用することにより電力ロスを削減しています。
緑地化
ボイラー室や変電所周辺の玉砂利の敷地を芝生に変え、エアコンの冷房効率をアップ。工場内の緑地化を推進。ほかにも赤土だったグラウンドや工場のちょっとした敷地を芝生に変え、工場の緑地化を進めています。
夜間電力
生産設備で不要となった遊休資材を集めて、夜間蓄熱設備を設置。夜間に氷を作り、昼間の空調に利用しています。生産設備においては過去10年間で926kWの設備を蓄熱設備により夜間電力に移行しました。
冷蔵コンテナ倉庫
出荷前の製品を保管する冷蔵コンテナ倉庫です。2007年に省エネを意識し設置しました。保管量によりコンテナの数を変えて使用します。温度管理も個々に行います。
省資源 省エネルギー
「買い替え時に照明を省エネ型に切り替えたり、喫煙室や一部更衣室などに人感センサーを取り付けるなどして工場全体で省エネルギーに取り組んでいます。使用後廃棄されるファイバードラムの1缶あたりの容量を増やし、廃棄ドラム数を1/3削減しています。」と濱中秀弘(製造部部長)。
5S・カイゼン
「主にl -メントールの中間体を製造する7係では、整理整頓をはじめとする5Sに徹底的に取り組むことで、有機溶剤や粉体が外部に飛散しないよう一人ひとりが注意するようになりました。現在は、若手社員が中心となって改善のためのミーティングを重ね、冷却水ラインの見直しによる水使用量の削減、ゴミ削減などにも努めていきます」と松下和弘(製造部課長)。
U字溝
l -メントールの原料となる「ミルセン」を受け入れている様子。タンクローリーから原料が漏れたり飛散しないように、U字溝を設けています。