研究開発本部を併設する平塚工場は、抽出や蒸留などを行わない、フレーバーとフレグランスのブレンド(調合)に特化した製造工場です。数百、数千もの原料を扱っている工場でありながら、道路を挟んだ隣が住宅地という環境であるため、「地域住民からの臭気苦情0件」を掲げて、いち早く臭気対策を進めてきました。
近隣の皆様と共生する工場を目指して
原料の缶など強い臭気を発する廃棄物の保管置場をテント式倉庫に変更したり、廃水処理施設の調整槽を密閉度の高いステンレスで覆うなど、臭気漏洩の防止に努めてきました。また、各施設からの排気による臭気拡散防止にも注力。コーヒーの焙煎棟では、臭気を燃やして原因物質を分解させる脱臭装置、廃棄物置場には活性炭に臭気を吸着させる脱臭装置を用いるなど、施設や製造工程に合った脱臭措置を図り、年に2回、排気の臭気測定も行っています。
このような工場内での対策だけでなく、地域社会に向けた取り組みも同時に行っています。工場外周の「臭気パトロール」や構外清掃のほか、地域のお祭りには休憩所を開放するなど、近隣の皆様とコミュニケーションを図ることで、ISOの環境方針に掲げる「近隣住民と協調共生を図る」工場へ向け社員の意識も向上しています。環境問題をおろそかにすると事業活動が止まってしまう恐れがあり、そのために環境対策は最優先事項としています。
2009年度からは、さらに一歩進んだ「無臭化プロジェクト」を始動。3カ年計画で臭気発生源の改善や点検、拡散防止措置に取り組み、工場から臭気を「出さない」「もらさない」の視点から、確実に成果を上げています。
「カイゼンのためのカイゼン」にならないように
平塚工場では、毎月1回、工場長が抜き打ちで工場を回って5S※を点検する「トップ点検日」を設けています。なぜなら、点検があるから5Sに取り組むという意識ではなく、日々の事業活動自体が、自然と5S・カイゼン活動につながっていることが重要であるからです。環境対策と事業の両立が平塚工場の使命であり、カイゼン活動のためのカイゼンにならないよう指導していくことも大切なのです。「全員参加」で、楽しく取り組める環境を整えるだけでなく、より科学的な根拠をもってカイゼン活動を継続するよう、今後も努力していきます。
| ※5Sとは、「整理」「整頓」「清潔」「清掃」「躾」の頭文字を取ったもの。5Sや事業活動で改善すべき点を社員自ら計画書を作成して提案するカイゼン活動にも、高砂グループ全体で取り組んでいます。 |
臭気対策
廃水処理施設、廃棄物置場の臭気対策に全力で取り組んでいます。
各工場からの廃水は活性汚泥方式によって処理をし、環境基準以下にしてから公共下水道に放流しています。2008年度に、廃水処理施設の調整槽の上部蓋を全面ステンレス製に揃えることで、調整槽からの臭気漏洩をなくしました。
また、原料のポリ容器や缶・サンプル瓶などを集積していた廃棄物置場は臭気パトロールの結果からテント式倉庫を建設して強臭廃棄物置場にしました。テント式倉庫には臭気が外部に漏れないように活性炭脱臭塔を2機設置して対応しています。なお、平塚工場すべての活性炭脱臭塔は年2回臭気測定を実施して、測定結果によっては、活性炭を入れ替えて臭気拡散防止をしています。
2010年度には臭気監視モニターを導入し、強い臭気が出る恐れのある廃棄物置き場と排水処理場にそれぞれ臭気センサーを設置しました。臭気の発生する時間帯や強度、風向きなどによる臭気の拡散方向を24時間にわたって監視するとともに、取得・記録したデータを分析し、臭気の発生抑制に役立てています。
臭気センサー
排水処理場に設置した臭気センサー。
臭気監視モニター
環境施設部内に臭気監視モニターを設置。
テント式倉庫
廃棄物を保管するテント式倉庫。人と車両用の出入り口を分け、臭気の拡散を防いでいます。
臭気パトロール
ISO14001認証当時から「臭気パトロール」を継続しています。工場外周を週2回、工場内を週1回パトロールし、巡回者の嗅覚と臭気測定器を用いて、臭気強度を0ポイント(無臭)〜5ポイント(強い臭気)で測定。強度3以上は異常とみなし、すぐに対策にあたっています。また、2009年度のISO14001第一の目標である「近隣住民から臭気に関する苦情をなくす」も、苦情0件で目標を達成しました。
省エネ対策
LED照明や遮熱フィルムで環境にやさしい工場を目指します。
バッテリー型フォークリフトへの切り替えや高効率ボイラーの設置、資源循環に取り組み、環境負荷を低減する活動に力を入れています。2010年夏からは、試験的に、廃棄物置場や消火栓ポンプ室にLED照明を取り入れています。また、高反射型の遮熱塗料を倉庫の壁や屋根に塗装し、遮熱フィルムを窓に貼ることで、冷暖房効果を高めてエネルギー削減に努めています。
LED照明
LED照明は、省エネ率を算出し、効果が数字的に証明されるまで試験的な取り組みを継続予定。
遮熱フィルム
事務棟と警備室の窓に遮熱フィルムを貼り、省エネに取り組んでいる。
フォークリフト
36台のフォークリフトは、徐々にガソリンから電気へとエネルギー転換。
高反射型塗料で塗装した倉庫
夏場の冷房にかかる
エネルギーを節約できます。
再利用化
CO2排出量の削減につながる高効率ボイラーを設置。温室効果ガス排出削減は、年間14トンに相当します。
臭気パトロール
鉄やアルミ、ポリバケツ、ガラスなどはリサイクル業者へ。排水施設から出る汚泥からも金属を取り出し、再利用化を進めています。