高砂香料ではファインケミカル、アロマケミカルの有機合成分野で環境に優しく継続可能な化学(Green Sustainable Chemistry)を実現するために、変換効率、選択性の高い触媒やプロセスを開発して廃棄物のより少ないシステムを構築することが重要であると考えています。
1983年に光学活性配位子BINAPのロジウム触媒を用いて、世界で始めて触媒的不斉合成法によるL-メントールの工業化に成功しました。
1993年にはBINAPとルテニウム触媒を用いた不斉水素化反応により抗生物質の中間体である4-アセトキシアゼチジノンの工業化を実現しました。
1995年にはBINAPを凌駕する目的でSEGPHOS配位子を開発し、触媒の使用量を削減することに成功しました。
2010年には通常大量の廃棄物が副生するエステル還元をRu-MACHO触媒を用いる水素化反応で行うことに成功しました。この反応より乳酸メチルから1,2-プロパンジオールが製造できるようになりました。さらに、還元的アミノ化反応ではアセト酢酸エステルから1段階で3-アミノ酪酸エステルの合成が可能となりました。従来法に比較してこの反応は補助物質を減らし、途中の修飾反応を避けることができるという画期的な合成法です。
このように触媒反応を最大限に使用して、できる限りマイルドな反応条件でプロセスを組み立てるよう努めるとともに、さらに効率の良い触媒開発を行い、より安全な原料・反応試薬を使用して環境に影響を与えないプロセス開発を推進していきます。
一方、酵素反応や微生物反応(発酵法)を利用して、天然物から有用成分を工業的に作り出す方法は環境負荷の非常に少ない方法とされ、得られた有用成分は天然素材として位置付けられています。
高砂香料では、以前より、酵素・菌体ライブラリーの充実と種々のオリジナル手法の開発を推進してきました。本手法により、香料素材(乳系、果実系フレーバー)をはじめ、これまでに様々なオリジナリテイーの高い食品素材〔調理系エキス、茶類エキス)、機能性素材(風味改善素材)等を生み出しています。
